私が大学院の修士、博士と授業料免除で通い、ポスドクでカリフォルニアの大学で研究員として働き、現在グリーンカードを取得した方法を徹底解説 是非参考にしてみてください!
アメリカの授業料が高い理由
アメリカで学費免除で大学院合格を目指すためにはどうしたらいいのか、ということをお話しします。
アメリカの公立大学の授業料は、州内(in state)と州外(out of state )の2種類のシステムがあり、州内出身の学生は州外出身の学生より安い授業料で大学に通うことができるのです。それは日本で言うところの公立大学のシステムに似ています。私の通っていた大阪の公立大学でも、大阪市内に住んでいたら授業料が安くなったようでした。しかしアメリカでは、私立大学は当然のことながら、州立大学でも日本の国公立の大学に比べると学費はかなり高額になります。
アメリカ全土に比べても比較的授業料が安いとされているハワイ州立大学でも1学期に州内の授業料で最低10,872ドル(約123万円) 、州外になると32,904ドル (約372 万円)かかったりします。そしてアメリカの大学は4年で卒業できる保証はないのでこれが5、6年続くとなると経済的負担になってくることは確かです。皆さんが名前の聞いたことのあるアイビーリーグの大学(ハーバード大学やコロンビア大学)ですと、授業料だけで年間43,280ドル(約490万円)ほどかかったりします。アメリカは生徒がローンを組んで大学の学費を払うことはよくあることです。私の友達でハーバード大学に行った彼女は、 卒業後もう10年ほどたっていますが彼女とその両親、両方ともローンを未だに返しています。アメリカの大学は日本の公立大学に行った私からすると驚くほど高額です(学費は全て2017年5月現在)。
学外で留学生はバイトができない
そしてもう一つ大事な点は、学生ビザでアメリカにいる間は学内以外ではアルバイトができないのです。学内でできるアルバイトは結局大学内のカフェテリアとか、図書館、セキュリティ、もしくは留学生のオフィスの受付などです。結局大学の学期中にしか働けず、日本のように授業が終わった後にレストランなどでアルバイトしたいと思っていてもそれは違法労働になってしまいます 。私は日本で大学生だった時はアルバイトをたくさんしていたので、留学中にアルバイトができないことをとても不便に感じました。貯金を切り崩して学生になった友達の話などを聞いても、経済的に苦しい、という話はよく出ていました。
TA/RA/GA制度とは
ですので、私は留学をするなら断然大学院で行くことをお勧めしたいと思います。特に理系の場合。理系の大学院の学生は通常大学院生助手(GA:Graduate Assistantship)制度というものがあり、リサーチアシスタントシップ(RA:Research Assistantship ) やティーチングアシスタントシップ(TA :Teaching Assistant ship)として雇われながら大学院に通うことができます。このシステムの素晴らしいところは、授業料が免除され、月々わずかながら給料(stipend)が出るのです。確か私が大学院生の時には、 1ヶ月で1800ドル(当時のレートで約19万円)ぐらいもらえていたと思います(この額は大学、学部によって異なります)。
大学院生たちがしている研究の多くは、 所属する研究室の教授の研究費によって行われています。学生にとっては学位をとるための研究なのですが、その研究をしていることに対して学生に給料が払われるシステムになっているのです。私はアメリカの大学院に5年在籍しましたが、5年間、ずっとリサーチアシスタントとしてサポートを受けていたので、学費を払う必要がありませんでした。アメリカで大学院に通ったというととてつもなくお金がかかると思われることがあるのですが、むしろ授業料を払ったことはなく、わずかながらですが給料まで出ていたので経済的な負担がずいぶん軽減されたのは事実です。
この大学院助手制度は理系に広く浸透していて、文系ではなかなか機会がないようなのです。文系の学部にはそのようなポジションがもともと1つぐらいしかなく、実際、文系の大学院に行っている友達が学費を払うのが本当に大変だと言っていたのを思い出しました。 私はこのアメリカの制度がなかったらとてもではないけれど博士号までの取得にかかる学費を捻出することはできなかったと思います。
実際に私がGA制度で授業料を無料にした方法
それでは、どうしたらGAの制度を貰うことができるのでしょうか?
大学の先生と知り合う、ということがまず一番手っ取り早いです。人脈こそとても大事です。まずアメリカの大学院に行くのには推薦状を書いてもらわなければなりません。ですので大学生の時は人脈を作るためにも理系の研究室でバイトすることをお勧めします。バイトをすることでお金も入ります。けれど一番の大事な部分は大学院入学にとても大切な推薦状をその研究室の先生から書いてもらうことができるからです。もしその研究室にお金があれば、うちの研究室からお金をサポートしよう、という話になったりすることもあります。
もし学会などに行く機会があれば、自分の興味のある大学の先生に片っ端から話しかけに行って徹底的に自分を売り込みましょう。私も一度学会に行った時にフロリダ大学の学部生が履歴書を片手に話しかけてきて、ハワイ大学で大学院に行きたいんだ、色々と教えてくれ、と言われました。彼は結局その学会で知り合ったハワイ大学の先生の研究室で今修士課程に在籍しています。ネットワークが大事です。
とはいうもののそのような機会に恵まれず大学院に申し込むこともあると思います。大学院の合格は単なる合格と合格+GAという二種類に分かれています。多くの大学では最初の1年間は学部からGA制度を支給してもらい、その後担当教官が決まったらその教授がお金をだす、みたいなこともあるようです。GAをもらうには先生に売り込みに行く、論文がある、ボランテイア経験がある、いい推薦書がある、などGPAがいいだけではなかなかもらえません。一校に絞るのではなく何校か出して見てGAをくれる大学に行く、というのがアメリカ人の中でもやはり主流のようです。
理系の大学院生は研究室にこもって研究をしがちですが、スムーズに就職が決まるために、もし企業に行きたいようでしたらその会社のインターンを学生のうちに経験することをお勧めします。アメリカの85%の仕事はコネで決まるのです。人を知っている、ということは就活において何にも代えがたい重要な要因になります。
一部“留学中毒”より抜粋。
詳しくはPh.D. in the USAをどうぞ。