みなさんこんにちは。遠山孝行です。僕はUniversity of Texas at Austinという大学の三年生で、映画学の専攻をしています。まずは僕がたどってきた道のりを簡単にみなさんに紹介したいと思います。
僕は慶應義塾湘南藤沢中高等部で六年間を過ごし、卒業後にそのまま慶應大学環境情報学部に進学しました。そこで1年間を過ごした後、ワシントン州のSpokane Falls Community Collegeといういわゆるコミカレに2年間通い、卒業後は編入という形で今のUT Austinに入学しました。
よくアメリカで日本人に会うと、「なんで慶應やめちゃったの!?」とよく聞かれますが、答えはいつも決まって「アメリカの映画を学びたいから」です。
アメリカの大学、だいたいどこにでも「Film major」があります。日本だと、映画を学びたかったら、専門学校ぐらいしかオプションがありませんよね。でもアメリカだったら、一般教養を学びつつ、映画製作も学べます。映画を作るには、世の中を知ることが大事。その点で、アメリカの大学は専門学校よりもより柔軟性があります。
慶應在学時にたまたま目にしたサンフランシスコ州立大学の映画学のカリキュラムを見たとき、僕はとても驚きました。50を超える映画についての授業があるからです。
簡単に例をあげると、
- Documentary Workshop
- Introduction to Digital Filmmaking
- Directing Actors
- Cinematography and Lighting
- Sound Production for Cinema
(下のリンクでもっとたくさんの授業をみることができます)
https://cinema.sfsu.edu/content/filmmaking
名前を見るだけでわくわくするような授業ばっかり!
これを見たときに、アメリカの大学に行こうと思いました。
交換留学という手もあったけど、僕は「このまま慶應にいても時間を無駄にするだけだ!人生で一時も無駄な時間を過ごしたくない!」と思い、退学を決意しました。
アメリカで学ぶ映画学の魅力はなんといっても、
本場ハリウッドの映画が学べることですよね!
アメリカの普通の四年制の大学で映画学を専攻できて、ハリウッドに関しての映画の授業の数が50を超えることもあります。技術面的なものもそうだし、もちろんハリウッドの歴史とか、イギリス映画の特徴とか、ドキュメンタリー映画の製作まで学べてしまいます。
僕が今取っている授業は基本中の基本。白黒のフィルムカメラで写真を撮影し、それをつなげて一つの物語をつくるというものです。これ、簡単そうに見えてすごく難しい。
アメリカの映画学は、技術的な面よりも、いかに物語の構成をしっかりするかということに重点をおきます。いかにきれいな画質で、いかに光とかをうまく使っても、その映像に物語がなければ、ゴミとみなされるんですね。
こんな風に、
「何がハリウッド映画をハリウッド映画とさせるのか」というのが学べます。
そして僕がもう一つ魅力的だと思ってるのが、アメリカの大学では映画学専攻といえども
他の教科もしっかり勉強できるようなシステムをつくってるんですね。
日本の映画の専門学校とかいくと、映画漬けになってしまいますが、アメリカの大学だと映画学だけじゃなくて、政治とか歴史の授業をとらなきゃいけないんです。これって実は映画学で重要なことです。物語を語る上で、必要なのが色々な分野における知識。いかに映像技術を知っていても世界を知らなきゃ語る物語がないですから。そう考えると、世の中を知りつつ、映画の技術的な面も同時に学べてしまうアメリカ大学は、まさに一石二鳥という感じかなと思いますね。
さて、僕は編入のときに、UCLA, UCバークレー, UCアーバイン, UCサンタクルズに申し込んで、UCLA以外全て合格しました。UCLAも800人中の30人に選ばれて最終面接まで呼んでもらいました。UCLAの映画学部の合格率は1%程度と言われていて、最終面接まで呼んでもらえたことに驚きました。 詳しくは UCLA, UCバークレー編入に出したエッセイを公開!アメリカ留学でアイビーリーグ級の大学に入るために大切なのは?
さて、留学をしたら人生変わると思ってませんか?留学したらステータス上がると思ってませんか?
留学はそんなに簡単な話じゃない。留学というのは実はみんなが思っているよりもずっと辛くて、ずっと孤独です。
留学は精神力が必要なんです。
僕はこの留学人生で、色んな人を見てきました。アメリカに5年くらいいるのに、未だにろくに英語が出来ない人、日本人が恋しくて結局日本人と固まってしまう人、ただ単にアメリカで生活して気づいたら就活で全くうまく行かない人。かと思えば、死ぬほど勉強して目標に真っすぐ進んでいる人、悩みに悩んで大変な思いをして毎日考えながら生活している人、などもたくさんいます。
このブログの筆者の1人に米丸という人がいますが、僕は彼ほど勉強に熱心で将来についてしっかり考えている人はみたことがありません。彼はもともと頭がいいやつで、英語もよくできるやつですが、それでも毎日毎日彼も孤独で辛い闘いをしているのを僕は間近で感じています、
留学で失敗する人に共通するのが何においても「なんとなく」な人。
留学したい理由は?
ーなんとなく、やりたいことがないから
その人の通ってる学校に決めた理由は?
ーなんとなく
将来はなにするの?
ーまだわかんない。普通に就活。
こういう人は英語も中途半端で結局なにも見つけられないまま日本に帰ります。
目標を持ちましょう。今目標がなくてもいいです。目標を探そうとしてください。
そしてその目標探しはときに勇気と根性を必要とします。その勇気と根性あなたにありますか?いばらの道を喜んで受け入れる度量がありますか?
留学生で失敗する人は、待ってれば目標は自然に見えてくると思ってる人。違います。
自分が動くのです。
アメリカに行くということ自体、自分が踏み出した一歩に見えるかもしれませんが、アメリカで踏み出す一歩のようが何百倍も大変です。
留学で時間を無駄にしている人は、
そもそも悩んでないし、悩もうとしない。一歩を踏み出さないし、踏み出そうともしない。そういう人は、怖いんですね。そりゃ悩まなくていい楽な生活の方がいいですよね。でも、それだったら日本にいたほうがいい。
留学を考えている人は自分自身にこれを聞いてほしい。
「毎日失敗する準備はできているか」
授業で発言して、発音がヘタクソで誰も理解してくれない準備はできてるか?
英語が自由自在に操れるまで最低五年はかかる準備はできているか?
お金を使わないために毎日クソみたいな飯を食う準備はできているか?
寝ないで勉強する準備はできているか?
あげたらキリがありません。
ただ、留学が楽しいものであると思っている人。
そうじゃないです。本当の留学は辛いです。
僕は去年、日本に帰った時、精神的に打ちのめされました。なぜかというと、僕の会う友達はみんながみんな就活してて、誰がどこに就職したとかいう話を聞いているうちに、こう思ったからです。
「俺も普通に就活すればよかったかもしれない」
僕は映画監督になることを夢見て、アメリカに渡ってきました。あの頃は夢でいっぱいでした。でもこうして高校時代共に過ごしたみんなが就職して、僕だけお先真っ暗な道を進んでいることに恐怖を覚えたのです。
秋には学校にリクルートにやってきた映画とは全く関係ない某日本商社と面接さえしました。
未だにあの夏を思い出すと、不安に苛まれます。毎日将来の恐怖と向き合っています。
留学とはこういうことです。
「アメリカの大学に入るのは簡単だ」
僕はこういうのをよく耳にします。でもこれは間違いで、行きたい大学に入るための道のりは孤独で大変なものでした。僕は今日から、その道のりで培ってきた経験をもとに、みなさんにアメリカ進学に必要な知識とアドバイスを発信したいと思います。
留学をしたいけど右も左も分からない、そんな人にはどんな質問でも答えます。僕も何も知らなくてよく苦労しました(笑)