こんにちは。アメリカのベイラー医科大学というところで博士課程の学生をしている古田と申
します。今回はアメリカでの博士課程にかかる必要経費について話をしようと思います。
博士課程準備
アメリカで博士をやるためには、当然ながらテストを受けたり、出願書類を提出したり、イン
タビューを受けたりすることが必要です。具体的にどのような準備が必要かは別の記事で述べ
るとして、今回はどのくらいのお金がかかるかを伝えようと思います。
➀テスト
アメリカで博士をやるために受けなければならないテストは主に2つで、一つはTOEFL(もしくは
IELTS)、もう一つはGREというテストになります。
TOEFL(IELTS)は英語力を証明するための試験で、GREは日本で言うとセンター試験のような、大
学院生用の共通学力試験のようなものです。どちらもオンラインで受けることができます。
さて必要経費ですが、2020年3月現在どちらも一回の受験で約$200となります。したがって二
つで約$400必要です。日本円で最低でも4万円強必要ということですね。ただし一回だけ受けて
目標点に行く人はまれだと思うので、何度も受けることにきっとなるでしょう。さらに言うと
試験勉強自体にもお金を要するので、10万円くらいの出費は覚悟したほうがよさそうです(ただ
し近年GREを必要としない大学院も増えてきているので、大学院によってはGREを受ける必要は
ないと思います)。
➁出願書類
出願書類提出の際も、提出先の大学に手続き料を払う必要があります。大体の大学は1万円ほど
のお金を要求してきます。なので大学を出願すればするほど必要経費が増すということです。
人によりますが、10校出すと考えて、ここでは10万円ほど必要だと考えておくと良いでしょう
。
➂インタビュー
最初の書類審査に通ると、インタビューを受けることになります。これはオンラインでインタ
ビューを受けられる場合と現地に行かなければいけない場合があります。オンラインなら0円で
すが、現地に行く場合交通費・宿泊費が発生します。ただ私の感覚としては日本在住というこ
とで、オンラインでのインタビューを許可してくれることが多いと思いますし、現地に行くに
しても交通費が出る場合があるので、ここでの出費は0円と考えてよいでしょう。
以上をまとめますと、トータルで試験関連が10万円、出願書類関連が10万円で計20万円博士課
程の準備に必要だと考えてもらえると良いと思います。出願までだけで20万円とか、正直なか
なか厳しいですよね.
博士課程での費用
博士をやるためにも経費が掛かってきます。授業料はもとより、生活の為の保険料、家賃、食
費、光熱費など、様々な経費が掛かってくるでしょう。
しかしながら、アメリカの博士課程は、大体の大学が返済不要の奨学金やStipendとよばれる、
ティーチングアシスタントやリサーチアシスタントとしての対価として支払われる給料を全て
の大学院生に支給します。この奨学金・Stipendにより授業料は実質免除になり、さらに生活す
るのに困らない程度のお金が出ることが多いです(住んでいる地区にもよります)。
一例ですが、例えばテキサスのある大学では授業料が年間320万円ほど、海外保険料が50万円ほ
どかかるのですが、大学からの奨学金の額面は大体690万円ほどです。授業料と保険料は天引き
されるので、実質年間320万円の手取りがあるという状態になります。生活費がその地区では大
体月20万円ほどかかるので、毎月貯金できるくらいもらえるということです。
これ、すごくないですか?日本では通常、授業料を払って、もちろん収入無しで学位を取りに
行くわけです。しかしアメリカではお金をもらいながら学位を取ることができるのです。これ
を知らない方がとても多く、博士に進学する際にアメリカが選択肢にないことはとてももった
いないことだなあと思います。
さて今回の記事をまとめますと、「博士の準備には20万円ほどかかる一方で、アメリカで博士を
やると年間300万ほど収入がもらえる。」ということになります。