こんにちは。アメリカのベイラー医科大学というところで博士課程の学生をしている古田と申
します。今回はアメリカでの博士課程に倍率について話をしようと思います。
アメリカの博士課程の難易度
日本では多くの大学院では博士進学でふるい落とされることは滅多にないと思います。したが
って倍率はほぼ100%と言ってよいのではないでしょうか?
一方アメリカの博士課程の場合、他の記事でも紹介したように大学院生には基本時に大学側が
奨学金や給料といった形でお金を支払う必要があります。したがって誰もかれもが入れる仕組
みには当然なっておりません。
さて、アメリカでの博士課程の倍率ですが、正直ほとんどの大学院がデータを公表していない
ので正確な情報はわかりません。なので私がアメリカで入学者選抜に関わっている担当の人か
ら聞いたわずかな情報をもとに推察します。
合格率
私が所属しているベイラー医科大学の昨年の合格率は、プログラムにもよるのですが大体
5~8%です。応募者100人いたら10人弱受かるという形になります。これを高いと取るか思った
より低いと取るかは人によると思います。ただ博士課程出願には多くの費用や労力がかかるの
で、とりあえず出してみるか~くらいの気持ちの人はまず出願していません。なので競争相手
はみんな必死ですし、それなりに経歴のある人間が集まります。
ベイラー医科大学は、生物・医学の分野ではアメリカ国内のランキングで大体20位強ぐらいの
位置付けにあります。なので、アイビィーリーグなどの世界トップ校にはさすがに及ばないけ
れど、かなり優れた大学院なのではないかなと思っています(無理やり日本に当てはめるなら、
旧廷大学レベルいくかいかないかくらいでしょうか)。
さてもっと人気のある大学ではどうでしょうか?デューク大学と呼ばれる、全米の総合大学ラ
ンキングで10位ほどの位置する大学の倍率は、聞いたところによると神経科学分野で昨年は
10000人の応募者から10人を選ぶという状態だったようです。つまり倍率0.1%です。・・・め
ちゃくちゃ厳しいですね。ただこれは私個人でデューク大学の学務に聞いた話ですので、情報
の信ぴょう性は怪しいというところを念に置いておいてください。私はデューク大学には即効
落とされました笑 ただ神経科学は特別人気の分野なので、全体の倍率はもうちょっと低いの
ではないかなと思います。
デューク大学でこれですので、それこそハーバード大学やスタンフォード大学ではもっと高い
かもしれません。そのあたりの情報を私が持ってないので推察するしかありませんが、相当難
しいのではないでしょうか。
「大学の人気=大学の実力」ではありません
もしかしたらここまで気の滅入るような情報ばかりだったかもしれません。ただ一つ言いたい
のは、「大学の人気=大学の実力」ではありません。当然ながらネームバリューのある大学の
ほうが倍率は上がります。一方ネームバリューがなくても実力がある大学はごまんとあります
。なのでそういった大学を狙っていくと、ひょっとしたら良いのかもしれません。
またもう一つ付け加えるなら、アメリカの博士で倍率が高いのは、冒頭にも申し上げた通り学
校側が学生にお金を支払うというアメリカの教育システムによるところが大きいと思います。
これは、逆に言えば個人で財団などから奨学金を得ている人は、学校側の金銭の負担が少ない
ので、それだけ入試を通りやすいということになります。
さて今回の記事をまとめますと、「アメリカの大学院博士課程は日本より倍率が高い。ただし
倍率高い=良い大学とは限らないので、穴場を狙っていくのも一つの戦法。」ということにな
ります。